推し馬紹介

【the仕事の流儀】令和の男はここが違う。結果ですべてを黙らせる。《ウシュバテソーロ》

2024年2月25日(日)サウジカップ。速い流れでスタートが切られる中、TVの画角には収まりきらず他馬から離れて後方に控える馬がいました。それが”ウシュバテソーロ”。

黄色いメンコが特徴的なその馬は最終コーナーを迎えた途端スイッチが入り、鮮やかに大勢の他馬を抜き去りゴール盤を駆け抜けていきました。結果は僅差の2着と敗れたものの深夜にも関わらずTVの前のファンを沸かせたのではないでしょうか?

今回は、そんなウシュバテソーロのデビューから現在までの軌跡を話していきたいと思います。

ヤキモキ期(デビューから芝での戦い)

今なお、名を馳せる三冠馬オルフェーヴル。日本競馬史上どの馬が一番強かったか?という質問には必ず名前があがる名馬です。
2017年3月4日。この名馬の血をひいた”ウシュバテソーロ”が元気に産声をあげました。

2019年8月25日ついにデビュー。
皆の期待を一身に背負ってレースに挑むものの出遅れてしまい結果は5位。

その後のレースも4コーナーをうまく曲がり切れないなど1勝を掴むことが遠く、やっとのことで未勝利戦を抜け出すことができたのは、デビューから7戦目のことでした。

毎度勝てないウシュバテソーロに対し、ファンは居てもたってもおれず「おいおい。どんなレースしてるんだよ。こんな遅い時計で後ろに控えるやついるかよ。」「ふざけんなよ。馬じゃなくてお前がゲート試験してこいよ!」「ちょっっ。わざと負けたくね?あれ、どう考えても勝てただろ。JRAに電話してくるわ。」と騎手に対しても厳しいコメントが飛び交っていました。

筆者『ふぅ』

ウシュバテソーロは最初から強かったわけじゃないんだね

覚醒期(芝からダートへ)

芝戦にて3勝をあげたもののどこかパッとしないウシュバテソーロ。

2022年4月30日「横浜ステークス」。
デビューから23戦目にしてダート初挑戦です。

スタートから4コーナーを回るまで最後方に控えていたウシュバテソーロ。
4コーナー。残り400mとなった瞬間、大外から一気に全馬を抜き去り圧勝です!

「ん?強すぎん?」「つえー(笑)」「今のだれ?ウシュバ?」とファンも口をあんぐりさせるしかありません。
そして、今まで非難していたファンの中にはあまりの出来事に騎手のことを〇〇様と呼ぶ人も。

後日、このレースにて負けて2位となった武豊騎手は「勝った馬(ウシュバテソーロ)が桁違いに強かった。」とコメントを残すほどウシュバテソーロの初ダート戦は印象的なものとなったのです。

黄金無双期(ダート王、名馬の道へ)

ダート戦に変更してからというもの、負けたレースであっても馬の強さが際立ち、皆の期待が高まるばかり。

2022年11月27日に行われた「カノープスステークス」では、4コーナーから直線。他馬を一気に飲み込み、突き放す姿は圧巻そのもので漫画の主人公のようなレースでした。

毎レース、始まる前は不安の声もあがるものの終わってみれば圧巻の勝利。
その強さは、デビューから22戦、芝を使い続けていたことに文句が出るほどでした。

ここまでの戦績32戦11勝、ダート戦績11戦8勝。

ウシュバテソーロは、現在の獲得賞金がおよそ19億円。(18億7631万700円)
次のドバイワールドカップで勝利した場合、獲得賞金が30億の大台に乗り、イクイノックスを超えて歴代獲得賞金ランキング1位となります。黄金無双時代へ突入です。

無双感の伝わる最強レースもお届けしましょう♪

https://www.youtube.com/watch?v=SfmRx1XB5P0

本番以外は省エネ主義!? ウシュバの魅力

そんなウシュバの魅力は、レースの強さだけではありません。

芝レース時代はさほど気にならなかったものの、強さが光るにつれパドックや追いきりでのやる気のなさが際立つようになりました。

頭を下げてトボトボとパドックを周回する姿は、休み明け月曜日に出勤するサラリーマンそのもの。

また、レース直前であっても追いきりでやる気を出すことは一切なく、これだけの強さを持っていながら未勝利馬と一勝馬に負けてしまう姿をお披露目するという信じられない内容に。併せ馬として勝った馬(一勝馬)をウシュバテソーロだと勘違いした人もいたとか。

当初、こういったパドックと追いきりの内容は、馬券から外すかどうか皆を悩ます出来事でしたが次第に「これがウシュバ♪」と海外にまで認知されるようになり、追いきりやパドックの内容がどんなに酷くとも「今日もウシュバがいつものウシュバだ♪」と安心される始末。本当に調子が悪いときに気づけないのでは!?と心配する人もいるようです。

川田将雅騎手とのエピソード

2023年ドバイワールドカップから現在に至るまでタッグを組んでいる川田将雅騎手。

サンタアニタで開催されたブリーダーズカップでの直前インタビューでは、
Q【記者】:「サンタアニタに来て、彼(ウシュバテソーロ)はどんな事が好きで、(反対に)なにか気に入らないなと思っているようなことはありますか?」

A【川田騎手】:「(ウシュバテソーロは)調教全体が好きじゃないので、行こうとすると『行きたくない』と主張してきますし、出入口もしっかり覚えたことで出入口を見つけるたびにそこに帰ろうとしますし、なので他の馬になんとか連れて行ってもらいながら『みんなも頑張って調教しているよ。』と馬に伝えながらなんとか一緒に走ってもらっています」
※インタビュー映像はこちら♪

サウジアラビアで開催されたサウジカップでの直前インタビューでは、
Q【記者】:「今朝のウシュバテソーロの雰囲気を教えてください。」

A【川田騎手】:「機嫌は悪くなかったのですが、今日も働きたくないとだいぶ強く主張してきまして・・・(省略)」

Q【記者】:「機嫌が悪くない。働きたくない。というのは、要するにいつものウシュバだと思うのですがそう思っていいですか?」

A【川田騎手】:「そうですね。海外も何度も行ってますので慣れてきて、周回コースに入れば走らなければならないということを理解していますので、そこには行きたくないということを主張してくるところで。精神的に苦しいとかではなくただ走りたくないと。走りだしてしまえば諦めてちゃんと走ってくれますので。」
※その時のインタビュー動画はこちら

ウシュバちゃん、たまらなく可愛いですね!

まとめ

ウシュバテソーロのレースっぷり(仕事っぷり)は令和の時代そのもの。

完璧な結果主義で頑張らなければならない瞬間だけ全力で頑張り、力を抜けるところは全力で力を抜くことで本番に備えて力を温存します。

追いきりでウシュバテソーロに勝った馬は、本番に力を発揮して勝つことができるというジンクスもあり、言葉ではなく自身の背中を見せて後輩に自身とやる気を出させ、育成していく姿は我々も見習わなけらばならないのかもしれません。

ウシュバテソーロのレースっぷり(仕事っぷり)を自身に置き換えて考えると、ここまで成果を出した仕事っぷりを行うというのはなかなか難しいもの。その過程でやる気を抜けば、結果が出ない時の反動や立場というのは大きくなってしまうため、かなりのリスクを背負うことになってしまいます。

とはいえ、仕事の過程を意識しすぎて日頃から無理をし疲れてしまったときには、ウシュバテソーロを参考にして周りの目を気にしすぎず力を抜いてみることも大事なのかもしれないですね♪

また、サウジカップでのウシュバテソーロは、1位のセニョールバスカドールに力負けしたのではなく、「最後に一番前にいる馬を差すことが仕事だ。」と思い込んでいるウシュバテソーロに対し、「前の馬を差そうとしている自分を、後ろから差そうとしている馬がいる」というのは想定外だったのではないでしょうか?調教でそのあたりをうまく教え込めれば、持っている力はどの馬にも負けないような気がします。

頑張れウシュバ!!

強さとは裏腹、グッズの種類はまだまだ多くありません。後日、本当に紹介したいと思えるものが販売された際にはこちらに追記しようと思います。


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